
コラム
共有フォルダの Access を何人かで使うと起きること
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いちばん手軽な共有のしかた
Access のファイルを社内の共有フォルダに置き、みんなで開く。多くの職場で使われている形です。
Microsoft も、この方法は「いちばん簡単で、必要なものが少ない」と案内しています。一方で、何人もが同時にデータを変えるときの信頼性や、使える状態の保ちやすさに限りがある、とも書いています。
この記事では、何人かで使うと何が起きるのか、どう備えるのかを順に見ていきます。
起きること1:ロックで、待たされる
.laccdb というファイル
共有フォルダで Access のファイルを開くと、同じフォルダに、同じ名前で拡張子が .laccdb のファイルができます(古い .mdb 形式では .ldb)。これは「ロックファイル」と呼ばれます。
ロックファイルは、どのレコードを誰が編集中かを管理するためのものです。最後の人がファイルを閉じると、自動で消えます。
次のときは、消えずに残ります。
- 消す権限(削除の権限)がない人がいる
- データベースが「壊れている」と記録された
壊れたときに残るのは、そのとき誰が使っていたかの情報を残すためです。
編集がぶつかると
同じレコードを2人が同時に編集すると、「書き込みの競合」のメッセージが出ます。自分の変更を保存するか、捨てるかを選ぶことになります。
なお、ロックファイルの中身だけでは、今だれが使っているかは正確には分かりません。閉じた人の記録が、そのまま残ることがあるためです。
フォルダの権限に注意
何人かで使うなら、フォルダには読み取り・書き込み・作成の権限が全員に必要です。ロックファイルを作るためです。
起きること2:遅くなる
ファイルを丸ごと共有する形では、画面や帳票などの部品も含めて、ネットワークを通ってやり取りされます。そのため、動きが遅くなりがちです。
起きること3:ファイルが壊れることがある
Microsoft は、ネットワーク上のファイルを何人かが同時に編集すると、壊れるおそれが少しあると案内しています。長い文章の項目(長いテキスト型)をよく編集する場合や、長く使い続けるほど、おそれは大きくなります。
壊れるのは、データよりも VBA のコードやフォームのことが多いとされています。データが失われるのはまれで、多くはネットワークの切断などで途中になった、1人の最後の変更です。
置き場所にも注意が必要です。
- OneDrive や SharePoint のドキュメントライブラリから、Access のファイルを直接開くのは避けるよう案内されています。
- 拠点をまたぐ回線(WAN)越しに使う形も、遅くなり、壊れるおそれがあるとして避けるよう案内されています。
備え1:ファイルを分ける(分割)
Access には、ファイルを2つに分ける機能があります。
- バックエンド:データ(テーブル)だけを入れ、共有フォルダに置く
- フロントエンド:画面・帳票・クエリなどを入れ、一人ひとりの PC に置く
こうすると、ネットワークを通るのはデータだけになり、多くの場合、動きが速くなります。壊れることがあっても、多くはその人のフロントエンドのコピーで済みます。
分ける前には、必ずバックアップを取ります。バックエンドの場所は、ドライブ文字(Z: など)ではなく、\\サーバー名\フォルダ名 の形(UNC パス)で指定するよう案内されています。
備え2:バックアップと、最適化・修復
- バックアップは、使う人がいない時間に取り、そのコピーが開けるかまで確かめます。
- Access の「最適化と修復」は、ファイルを1人だけで開ける状態でないと実行できません。前もって、使う人に知らせておきます。
- 修復では、壊れたテーブルのデータの一部が切り捨てられることがあります。実行の直前にも、バックアップを取ります。
最適化と修復の詳しい話は、2GB の上限の記事にまとめています。
データを SQL Server や Web に移す目安
分割しても、ファイルを共有する仕組みであることは変わりません。次のようなときは、データの置き場所を変えることを考えます。
- 使う人が多い。 Access が同時に扱えるのは255人までです。Microsoft の古い技術資料では、データの追加や更新が多いなら、ファイル共有の形は25〜50人までにするのがよいとしています。
- 使いながらバックアップを取りたい。 SQL Server などのデータベースでは、使っている最中でもバックアップが取れます。
- 見せる範囲を分けたい。 データベースの多くは、アカウントごとに見られるテーブルを分けられます。
- 在宅やほかの拠点から使いたい。 この場合は、ブラウザで使える Web システムに移す方が合うことが多くなります。
当社の診断でも、3人以上で共有フォルダやクラウドに置いて使い、同時に使えない・遅い・壊れることがあるなら、Web に移す目安としています。ほかの目安は、直すか Web に移すかの判断表をご覧ください。
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出典
- Microsoft サポート「Ways to share an Access desktop database」(新しいタブで開きます)https://support.microsoft.com/en-us/access/ways-to-share-an-access-desktop-database
- Microsoft Learn「Description of Access lock files (laccdb and ldb)」(新しいタブで開きます)https://learn.microsoft.com/en-us/previous-versions/troubleshoot/microsoft-365/microsoft-365-apps/access/lock-files-introduction
- Microsoft サポート「Compact and repair a database」(新しいタブで開きます)https://support.microsoft.com/en-us/office/compact-and-repair-a-database-6ee60f16-aed0-40ac-bf22-85fa9f4005b2
- Microsoft サポート「Split an Access database」(新しいタブで開きます)https://support.microsoft.com/en-us/access/split-an-access-database
- Microsoft サポート「Deploy an Access application」(新しいタブで開きます)https://support.microsoft.com/en-us/access/deploy-an-access-application
- Microsoft サポート「Access specifications」(新しいタブで開きます)https://support.microsoft.com/en-us/office/access-specifications-0cf3c66f-9cf2-4e32-9568-98c1025bb47c
ロックファイルの説明と、25〜50人の目安は、Microsoft の古い技術資料(Description of Access lock files)によります。
(2026年10月時点の情報です)
Microsoft、Access、SQL Server、OneDrive、SharePoint は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
